国際論壇レビュー
クリミア併合を傍観「地政学的均衡」狙うオバマの「危険な世界観」
旧ソ連帝国の失地回復(レコンキスタ)なのか。ウクライナ・クリミア半島併合へと向かうプーチン・ロシア大統領を指して、ドイツのメルケル首相は「まるで違う世界に生きている」とつぶやいた。ケリー米国務長官は「21世紀に19世紀の行動をとっている」と批判した。評論家づらはやめてほしい、とこの2人に対しては言いたい。
手前勝手な「失地回復」に乗り出した核大国に、「唯一の超大国」も欧州の覇者も手をこまねく。国際社会も打つ手がない。だとすれば、尖閣諸島や南シナ海で中国が一歩踏み出したとき、どうなるか――。安倍晋三首相をはじめ、アジアのリーダーたちは不安を募らせているはずだ。

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