「デジタル敗戦」で沈んだAV(映像・音響)大手メーカー3社の中で最も「回復」が早いとされるパナソニック。不採算事業や工場閉鎖などで遊休地化した資産の売却などを着々と進め、2013年第3四半期(4-12月期)には連結最終利益で過去最高益を更新した。同社関係者や一部マスコミには、陣頭指揮に立つ社長、津賀一宏(57)を10年前に同社をV字回復に導いた当時の社長(現相談役)の中村邦夫(74)になぞらえ、「改革型リーダー」と持ち上げる向きもある。ただ、津賀が進めている「選択と集中」には株主がクビを傾げたくなるようなケースもあり、数年来のグループ再編やM&A(合併・買収)で膨張した社内で社長の求心力が高まる気配もない。「中村改革」と称した10年前のリストラや薄型パネル事業推進の「一本足打法」が5年と持たなかったことを社員も株主も覚えており、そして疑っている。津賀が「第2の中村」ではないかと――。
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