財務省は5月9日、国債残高に政府の借入金などを合わせた「国の借金」が、2014年3月末で1024兆9568億円に達したと発表した。13年12月末から7兆110億円増えており、もちろん過去最多。年度末としては初めて1000兆円の大台に乗せた。新聞はいつもの通り、「国民1人あたり約806万円の負担で、一般会計の税収(14年度予算案では約50兆円)の約20年分に相当する」といった具合に、財政危機を強調していた。
もちろん、国の借金がどんどん増えているのは事実だ。だが、現実には、安倍晋三内閣が発足した直後の12年12月末と比べると2.8%の増加で、それ以前の民主党内閣時代の増加率や、2000年以前の自民党政権時代の大幅な借金増に比べると、むしろ増加率は小さくなっている。
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