商業捕鯨再開を巡る「対立の均衡」は蜜の味?

執筆者: 2006年8月号
タグ: 日本

 国際捕鯨委員会(IWC)は、六月にカリブ海の島国セントクリストファー・ネビスで総会を開き、商業捕鯨再開を支持する宣言を一票差で採択した。一九八二年の商業捕鯨一時禁止(モラトリアム)以降、捕鯨支持派が初めて過半数を制した。 しかし、これで商業捕鯨再開への流れが強まると考える関係者は誰もいない。IWCの規定は四分の三以上の賛成が無いと変更できないからだ。今回の宣言にも拘束力はない。僅差の対立が続く限りIWCは実効性のあることは何も決められない。 この「対立の均衡」で最も恩恵を受けているのは、日ごろ国際舞台で無視されがちなアフリカやアジアの発展途上国だろう。多数派工作のために、大国が平身低頭して自陣営に勧誘し、水産無償資金協力などの約束まで飛び交う。小国にとって、存在感を誇示しお金までもらえるまたとない機会なのだ。

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