政府系企業「私物化」を進める霞が関の「二枚舌」

執筆者:磯山友幸 2014年7月24日
タグ: 安倍晋三 日本
エリア: アジア

 報道によると、国土交通省が九州旅客鉄道(JR九州)の株式を2016年度までに上場する検討を始めた。JR九州は、国が独立行政法人の「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」を通じて全株式を保有している。事業の多角化などで収益力が向上してきたことから、JR九州自身が株式上場によって経営の独立性を高めることを要望しており、国がこれに応える格好だ。国交省は有識者会議を今秋に立ち上げ、上場時期や具体的な方法についての検討を始める、という。

 JR九州はここ数年、デザイナーがデザインした個性的な車両を次々と投入して人気を博しているほか、超豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」の成功など、鉄道事業で成果を挙げている。また、駅ビル事業や不動産業、ドラッグストアや居酒屋チェーンなどの多角化も進めており、収益力は急速に高まっている。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
磯山友幸(いそやまともゆき) 1962年生れ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、大阪証券部、東京証券部、「日経ビジネス」などで記者。その後、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、東京証券部次長、「日経ビジネス」副編集長、編集委員などを務める。現在はフリーの経済ジャーナリスト活動とともに、千葉商科大学教授も務める。著書に『2022年、「働き方」はこうなる』 (PHPビジネス新書)、『国際会計基準戦争 完結編』、『ブランド王国スイスの秘密』(以上、日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)、『破天荒弁護士クボリ伝』(日経BP社)、編著書に『ビジネス弁護士大全』(日経BP社)、『「理」と「情」の狭間――大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP社)などがある。
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