深層レポート 日本の政治
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「八月十五日」以前に雪崩を打ったポピュリストたち
八月十五日朝、小泉純一郎首相は靖国神社に参拝した。終戦記念日の参拝は総理就任後初めて。周囲の騒ぎをよそに、本人は「終わりよければすべてよし」の心境だったかもしれない。就任前の公約をようやく果たしたことになるからだ。 だが、そういう心境になれたのも、「後継」が事実上決まっていたから。この日を前に、ポスト小泉レースは大勢が決していた。 *「雪崩がどうしたって? 真夏に雪崩もないもんだろう」。自民党の中川秀直政務調査会長は上機嫌で記者団の質問を混ぜ返した。硬い表情を作ろうとしても頬が緩んで作れない。そんな風情だった。
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