堕ちゆく世界の迷走
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「重箱の隅スキャンダル」の陰で進行する「本当の危機」
内閣改造で政治的資本を高めたはずの安倍晋三政権が窮地に立たされている。小渕優子経産相と松島みどり法相の辞任を機に、野党民主党は大臣の首をとる路線をひた走る。アベノミクスの副作用を言い募る声も高まってきた。第1次安倍政権に舞い戻ったような光景が繰り広げられようとしている。
思い出したくない過去
当時の安倍政権が進退窮まったのは、閣僚の辞任ドミノによる。佐田玄一郎行革担当相(辞任)、松岡利勝農水相(自殺)、赤城徳彦農水相(辞任)が事務所経費で追及の矢面に立たされた。「なんとか還元水」という苦しい言い訳に二転三転する姿や、大きなバンソウコウを貼った大臣の顔が、安倍政権の失速を招いた。
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