クオ・ヴァディス きみはどこへいくのか?

日出づる国から眺めた隣の国の四皇帝

執筆者:徳岡孝夫 2007年3月号
エリア: アジア

 目分量で言うのだが、古今東西の文学の少なくとも半分は、男が女をどう思うかを書いている。書き手は圧倒的に男の方が多いし、男は思い込みの激しい性だから、女を神や天使になぞらえる。悪魔にも描く。むろん女を「産む機械」以下だと断じる作家もいる。 発言のキワドイ部分を文脈から抜き出され、袋叩きになった大臣は気の毒だが、いくら「冗談だが」と断ったにせよ彼の軽率さには驚く。 七月参院選という天下分け目の合戦に備え、小沢一郎氏はすでに単騎戦場を駆け回り、あちこちで安倍勢の足軽雑兵の首級を挙げては大音声に勝ち名乗りを上げている。なにもわざわざ、彼の前に進み出て首さしのべる必要なかろうに、と思う。

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執筆者プロフィール
徳岡孝夫(とくおかたかお) 1930年大阪府生れ。京都大学文学部卒。毎日新聞社に入り、大阪本社社会部、サンデー毎日、英文毎日記者を務める。ベトナム戦争中には東南アジア特派員。1985年、学芸部編集委員を最後に退社、フリーに。主著に『五衰の人―三島由紀夫私記―』(第10回新潮学芸賞受賞)、『妻の肖像』『「民主主義」を疑え!』。訳書に、A・トフラー『第三の波』、D・キーン『日本文学史』など。86年に菊池寛賞受賞。
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