三月二十三日に、ペルシャ湾のシャットル・アラブ川河口付近のイラク・イラン国境海域付近で英海軍の兵士十五人がイランの革命防衛隊に拘束された事件は、四月四日にアフマディネジャード大統領が記者会見で解放を告げ、全員が四月五日にイギリスに帰還したことで終結した。 一連の動きはメディアで大々的に報じられ、この時期の中東情勢をめぐる話題の中心の座を占めた。この事件が突発的な事件を発端にした、もっぱらメディア上のプロパガンダ合戦としての表層的な意味をのみ持つものなのか、あるいは双方に深い背景があるのかははっきりしない。

「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン