東芝が米政府へのロビー活動に精を出している。公開情報によると、二〇〇七年上半期は八十万ドル(約九千二百万円)を費やした。昨年十月に買収した加圧水型(PWR)原発大手のウエスチングハウス(WH)の事業拡大につなげるためだ。WHと競合する仏原子力国策企業のアレバが同時期に使った七十八万ドル(約九千万円)と比べても遜色なく、東芝のロビー活動重視が見てとれる。 なぜか。WHは米電力会社から業界最多となる原発建設工事の「受注内定」を得ているものの、建設を「正式決定」した電力会社はゼロ。原発建設には三千―四千億円もの巨額投資が不可欠なので、資金繰りに目処がつかない限り正式決定しない。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン