横綱・朝青龍関が八月末、精神的ストレスによる「解離性障害」の治療のためモンゴルに帰国したことで、日・モンゴルの外交関係者はひとまず胸をなで下ろしたのではないだろうか。 横綱が腰骨の疲労骨折で夏巡業を休場しながら、帰国中にサッカーをしていたことが明るみに出て以降、事態はスポーツの枠を超えて広がった。日本相撲協会が下した二場所出場停止と謹慎処分に、モンゴル各紙では「処分が重すぎる」と同情論が大勢を占め、首都ウランバートルの日本大使館前では市民団体が「朝青龍は軟禁されている」「人権侵害を許すな」と抗議行動を行なった。親日感情が強いこの国では異例のことだった。
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