福田康夫は「徳川慶喜」になるのか

執筆者:田勢康弘 2007年11月号
カテゴリ: 政治
エリア: 日本

首相はたしかに交代したが政治情勢は何も変わっていない。福田首相のもとで、いかに堅実な政権運営が行なわれようと、閉塞状況は打開のしようがない。このままいけば「お城明け渡し」。徳川十五代将軍のように……。 もう六年以上前のことになるが、『寸前暗黒』という政治小説を書いた(黒河小太郎著、角川書店)。その前には同じ筆名で『総理執務室の空耳』(中央公論新社)を著した。「寸前暗黒」とは福沢諭吉の『文明論之概略』の中に出てくる言葉で、「一寸先は闇」と同じ意味である。 三十六年間、日本の政治を観察してきた。佐藤栄作から福田康夫まで二十人の首相について、ドラマチックに展開する政治という名の不条理劇を舞台の袖で見つめてきた。何が起きても驚かないだけの心の準備はできている。そう思ってきたが、何年かに一回は、それでも腰を抜かすほど驚くことがある。「安倍辞任」はそのひとつであった。

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執筆者プロフィール
田勢康弘 ジャーナリスト。1944年中国黒龍江省生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。政治部記者、ワシントン支局長、論説副主幹、コラムニストなどを歴任し、2006年に退社。1996年から1年間、米ハーバード大学国際問題研究所フェロー。また1996年には日本記者クラブ賞を受賞。著書に『指導者論』(新潮社)、『国家と政治』(NHK出版新書)、『総理の演説』(バジリコ)など多数。また、『田勢康弘の週刊ニュース新書』(テレビ東京系)の番組ホストも務めた。
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