為替市場でインド・ルピーが高騰している。“インド・ブーム”前の二〇〇二年に一ドル=四十九ルピー台をつけた後、昨年夏までに四十五ルピー前後まで上昇。それが、現在は三十九ルピー台だ。 インドの経済成長は輸出依存度が高く、今後は製造業や農業でも輸出を伸ばすことが国策であるため、ルピー高は痛手だ。が、高騰の主な要因は順調な経済成長、そして米サブプライムローン問題に起因する世界的なドル安傾向と急激な資金流入。いずれも“根本治療”は難しい。 そのため、さまざまな“対症療法”が打ち出され、混乱も生じている。政権内でもナート商工相が輸出産業の支援策を唱える一方、チダムバラム財務相は企業の自助努力を促すなど“閣内不一致”が見られる。
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