この先一年の米国の中東政策の方向を決定づけると思われる文書が、十二月三日に発表された。「イラン――核の意図と能力」と題されたイランの核開発疑惑をめぐる国家情報評価(NIE)である。NIEとは、米国の十六の情報・諜報機関(インテリジェンス・コミュニティ)のデータと分析を総合して判断を下すものである。「イラン――核の意図と能力」では、確度の異なる「枢要な判断」を七つ列挙しているが、その第一番(判断A)で、「われわれは高い確信をもって、二〇〇三年の秋にイラン政府は核兵器開発プログラムを停止したと判断する」と結論づけている。
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