たまりかねて「性賄賂」罪導入 中国で“美女プレゼント”が横行

執筆者: 2008年1月号
タグ: 毛沢東 中国
エリア: アジア

 世にも珍しい「性賄賂」なる刑法上の罪が、中国で法制化される公算が強まっている。現金のみならず、純金製の毛沢東語録や月餅、高級輸入車などあらゆる財貨が党・政府幹部への賄賂となるが、いま最も喜ばれるのは「鍵を握った美女(=愛人つきのマンション)」。胡錦濤指導部は法制化で、党内の腐敗幹部に警告する新たな手段を得る。 摘発を受けた腐敗官吏の九五%は愛人をもつとの調査結果もあるほど、腐敗と愛人は密接不可分。賄賂として“愛人”を贈る業者も絶えない。ところが、取り締まろうにも使えるのは女性に対する売春罪だけで、それすら、幹部との間に金銭の授受がなく「自分の部屋に招いた男友達がたまたま幹部だった」ならば罪に問えない。一方の幹部側は不適切な男女関係を「生活作風の問題」と定める党規律に反するだけ。江沢民自身が有名歌手らと浮名を流すなど、前指導部時代に有名無実化した規律を正すべく、刑法改正を検討中なのだ。「性関係の事実」と業者および幹部の「利益追求目的」を構成要件とするという。

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