森林を守るために必要な間伐作業は、本当に採算が合わないのか。検証を進めると、自治体の主張は音を立てて崩れていく。 まるで燎原の火のごとし。いま、全国の自治体がこぞって新設に走る税金がある。「森林税」だ。二〇〇三(平成十五)年四月に高知県の橋本大二郎知事(当時)が導入して以来、原稿執筆時点で全国の都道府県の半数以上(二十五県)で導入済みまたは導入が決まっている。 自治体によって呼び名は多少異なるが、目的はどこも同じ。荒れた森林を再生させるための間伐費用に充てようというものだ。 間伐とは、成長のよい木を残し、他の木を間引くこと。残した木を高品質な“商品”として育てるためにも、また木と木の間に適度な間隔を空けて日光を差し込ませ下草が生える健全な森林をつくるためにも必要な作業だ。
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