内閣改造の行なわれた八月一日夜、自民党改革派議員らは、呆れ果てた表情を隠そうとせず、「改革逆行」「官僚大喜び内閣」などと酷評した。一方、霞が関では、財務省を筆頭に、「これでひとまず安心」との空気が広がった。与謝野馨経済財政担当大臣ら親官僚派が政権に復帰する一方、霞が関と鋭く対立した渡辺喜美金融・行革担当大臣は閣外へ。警戒していた中川秀直議員らの入閣は見送り。おまけに、度を越した“官僚言いなり”姿勢で世間に見放されたはずの町村信孝官房長官まで留任したのだから、官僚にとっては笑いが止まらない。財務省中堅幹部から「これはいくら何でもやり過ぎ。反動が怖い」との声が漏れたほどだ。
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