ブックハンティング・クラシックス
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潔い“辞任”で世間を感嘆させた「小日本主義」の石橋湛山
『湛山回想』石橋湛山著毎日新聞社 1951年刊(現在は岩波文庫版のみ入手可能) 一九五六年十二月二十三日に総理大臣に就任した石橋湛山は数日後、『中央公論』編集部の嶋中鵬二(後年の中央公論社社長)のインタヴューを受けた。「いかがですか、総理大臣のなり心地は……」との嶋中の冒頭の問いに、湛山は答えた。「悪くないね。どこへ行ってもチヤホヤされるよ。総理大臣三日やったらやめられないって聞いていたが、なるほどそういう面もあるよ。自分の考えている政策を遂行しようなんて思わなければ、これほどいい商売はないよ」(『中公』、昭和三十二年二月号)。

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