二〇〇八年、日本のテニス界は錦織圭(一八)の台頭と共に記憶されることになるだろう。 錦織がエリート選手に成長していった背景には、日本の経済界のバックアップがあったことを忘れてはならない。 小学六年生の時に「全国小学生テニス選手権」で優勝した錦織は十三歳の時にアメリカにテニス留学することになった。 経済的な支援を行なったのは、日本テニス協会会長を務める盛田正明氏(ソニー創業者・盛田昭夫氏の弟)が設立した「盛田正明テニス・ファンド」である。世界と戦うテニス選手は若い時期から海外で修業を積むことが必要だとの認識から生まれた基金だ。

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