長い目で見るとき、アメリカの政治地図は、ダイナミックな塗り替えが進んでいる。その地殻変動の核心とは――。 今回のアメリカ大統領選では、いったい何が起きたのか――。一月半を経たいま、あらためて考えてみよう。 アメリカ合衆国史上初めて黒人大統領が生まれたという歴史的な出来事の大きな背景には、何をおいてもサブプライム住宅ローン問題に端を発する未曾有の経済危機があった。その原因となった政治を変えたいと願う米国民の強い「変革」への意志があったことに、疑う余地はない。 不況の中で「変革」への風が吹いた――という、きわめて一般的な現象が起きたのである。つまり、オバマ次期政権がこの未曾有の経済危機に効果的な手をうてなければ、「変革」の風は逆方向に吹き出すこともありうる。それが、いまアメリカが置かれている状況だ。
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