「三月十日から二十八日までの間に、何も起きないことはありえない」と、中国共産党幹部は身構えて……。「千年の情念を込めた闘いですから」――毛沢東主席が呼びかけた「支援辺境建設」に応じ、一九五〇年代末に沿海部の大都市からチベット、新疆ウイグルという少数民族自治区に移住した二人の老知識人が漏らした。前者は「高度な自治」、後者は「東トルキスタン建国」を求める違いはあるものの、「分裂主義者」への弾圧を貫く中国当局との「ニ死我活・我死ニ活(生きるか死ぬか)」の闘争は、収まる気配を見せない。二人は「文化大革命以前、ほんの一時期、われわれ漢族と少数民族の距離は縮まったと感じた。だが、彼らの風俗を否定し寺院を破壊するなど毛の極左政策が台無しにした。トウ小平の金銭万能主義は、さらに傷口を深めた。出口は見えない」と口を揃える。
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