中東―危機の震源を読む (58)

環境・新エネルギー技術を「買う」アブダビの深謀

執筆者:池内恵 2009年10月号
エリア: 中東

 ドバイでは初めての地下鉄路線「レッド・ライン」が開通した。鉄道・地下鉄の発達していない中東としては画期的な出来事であり、「二〇〇九年九月九日九時九分九秒」に合わせて開通式が華やかに執り行なわれた。世界一高いビルとなることを目指して建設中のブルジュ・ドバイ(ドバイタワー)も、工期が延びていたが、九月中には先端部のクレーンが降ろされ、十二月二日のUAE(アラブ首長国連邦)建国記念日に合わせて公開される見通しである。年初に八百十八メートルは超えたとされるが、最終的に何メートルの高さになるかは依然として公表されていない。

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執筆者プロフィール
池内恵(いけうちさとし) 東京大学先端科学技術研究センター グローバルセキュリティ・宗教分野教授。1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より東京大学先端科学技術研究センター准教授、2018年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、『【中東大混迷を解く】 サイクス=ピコ協定 百年の呪縛』 (新潮選書)、 本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』(同)などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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