三カ月のワシントンDC滞在を終えて帰国した。ワシントンは政治・外交に特化した街で、人に会うにも、様々な催しに参加するにも、時間のロスがない。一年ぐらい滞在した気分である。アメリカはしばしばその「光と影」を論じられるように、燦然と輝く部分と、深く暗い闇の落差が激しい。滞在中に改革法案が上下両院で通過した医療保険制度などは影の面の最たるものだ。 研究・教育にしても、米国は独特の落差を抱え込んでいる。昨年十二月号の本連載で報告したように、ワシントンに集まる政治・外交シンクタンクや財団、大学の研究所に集まってくる国際政治・外交の情報量は著しく、議論の展開も早い。
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