新DDI会長決定ではずれたKDDの思惑

執筆者:Foresight 2000年4月号
カテゴリ: 経済・ビジネス

 今年十月にKDD、DDI、IDOの通信三社が合併して誕生する新DDI会長に牛尾治朗氏が決まったことで、KDD社内に衝撃が広がっている。牛尾氏はDDIの社外取締役を務め、DDI・京セラグループの総帥である稲盛和夫・名誉会長にきわめて近いだけに、新会社の社長に就任する奥山雄材社長兼会長と合わせ、DDIの新会社支配が明白になって来たからだ。 KDDは当初、IDOやKDD自身が九八年に吸収合併したテレウェイの筆頭株主だったトヨタ自動車が新会社でも強い影響力を発揮、DDI・京セラグループの力を牽制すると判断して合併構想に乗った。両者が張り合えば「技術基盤や海外との交渉力を持つKDDが主導権を発揮するチャンスはある」と見たのだ。

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