国際論壇レビュー

逆効果だった中国の「台湾白書」

執筆者:田中明彦 2000年4月号
タグ: 中国 台湾 大統領
エリア: アジア

 注目された台湾の総統選挙は、事前に中国による激しい“批判”が繰り広げられたにもかかわらず、独立志向が強い民進党の陳水扁候補が当選した。ただ、中国の陳水扁当選に対する反応は、今のところ静観に終始しており、危機の再来は回避されたようだ。

 一方、ロシア大統領選挙は、大方の予想どおりプーチン大統領代行が当選。

 また、アメリカでは、大統領選挙予備選の山場ともいうべきスーパー・チューズデイで、民主党、共和党ともに本命候補だったゴア、ブッシュの二人が勝利した。国内的には積極的な政策をとる余地のあまりないクリントン大統領は、アメリカ大統領として二十二年ぶりに南アジア訪問を行なうなど、外交活動を積極化させたが、目立った成果はあがらなかった。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
田中明彦(たなかあきひこ) 1954年、埼玉県生まれ。東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了(Ph.D. 政治学)。東京大学東洋文化研究所教授、東京大学副学長、国際協力機構(JICA)理事長、政策研究大学院大学学長、三極委員会アジア太平洋地域議長などを経て、2022年4月より再び国際協力機構(JICA)理事長に就任。著書に『新しい「中世」―21世紀の世界システム』(サントリー学芸賞受賞)、『ワード・ポリティクス―グローバリゼーションの中の日本外交』(読売・吉野作造賞)、『アジアのなかの日本』、『ポスト・クライシスの世界―新多極時代を動かすパワー原理』など。
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