【フォーサイトノンフィクション】 ブラック・ニッポン(下)

執筆者:出井康博 2000年4月号
エリア: 北米 アジア

日米戦争前夜、アメリカの黒人を味方に付けようとした日本の秘密工作があった。その先駆けとなった男、中根中。摘発の網をかいくぐり暗躍していた彼が逮捕された頃、ニューヨークでは「第二の男」疋田保一が活発な工作活動を行なっていた……。 一九三〇年代、米国黒人社会で「東洋から来た神」と崇められた日本人、中根中。反白人団体を組織し黒人を暴動へと導こうとした彼は、やがて日本へと強制送還された。その中根がデトロイトに舞い戻っていると米連邦捜査局(FBI)が知るのは、強制送還から五年後の三九年(昭和十四年)のこと。妻・パールからの密告がきっかけだった。

カテゴリ: 社会
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執筆者プロフィール
出井康博(いでいやすひろ) 1965年、岡山県生れ。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒。英字紙『日経ウィークリー』記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)を経てフリーに。著書に、本サイト連載を大幅加筆した『ルポ ニッポン絶望工場」(講談社+α新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『松下政経塾とは何か』(新潮新書)など。最新刊は『移民クライシス 偽装留学生、奴隷労働の最前線』(角川新書)
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