深層レポート 日本の政治 (12)

政局第二幕は「森・亀井」対「野中・古賀」

執筆者: 2000年12月号
エリア: アジア

「今の日本の姿は『火宅の人』だ。家のあちこちに火が付き、ボーボーと炎が上がっているのに、家人はそれと気付かず、中で子供が無邪気に遊んでいる」 綿貫民輔衆院議長が小渕派会長当時によく口にした憂国の言葉だ。一昨年秋の自自連立合意から今年四月の自由党連立離脱まで、綿貫氏は小沢一郎自由党党首との個人的なパイプを生かし、ある時は自主的に、またある時は自民党執行部から頼まれ、小沢氏の「なだめ役」を務めてきた。 事ある毎に政権離脱をちらつかせる小沢氏のやり方はいただけない、しかし小沢氏の政策提言に耳を貸さない自民党は危機感がなさすぎる。社会保障費増大に対応するための消費税率引き上げは必要ではないか。小沢氏という「外圧」を利用して一気に構造改革を進めようという発想になぜ立たないのか。自由党というクッションがなくなれば、公明党との関係も長続きしない。なぜそれに気付かないのか――。

カテゴリ: 政治
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