国際論壇レビュー

閣僚人事から読み解くブッシュ外交の行方

 ちょうど一年前の本欄で指摘したように、欧米の多くの国では二〇〇〇年をもって、新世紀も新ミレニアムも始まると(誤って)考えていたので、二〇〇一年の開始が二十一世紀の幕開けとして感慨を持たれたのは日本くらいのようで、世界的には静かな新年であった。また、昨年のようなY2K問題という世界中を巻き込む大問題もなかった。 もちろん、イスラエルとパレスチナの問題は依然として解決の糸口まで辿り着けず、中東に関する懸案事項は年を越すことになった。世界的にいえば、これ以外にもなかなか解決の見通しのたたない紛争は多い。しかし、これまでの数年間と比べてみると、この新年は、やはり静かな新年だったと言えそうである。

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執筆者プロフィール
田中明彦(たなかあきひこ) 1954年、埼玉県生まれ。東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了(Ph.D. 政治学)。東京大学東洋文化研究所教授、東京大学副学長、国際協力機構(JICA)理事長、政策研究大学院大学学長、三極委員会アジア太平洋地域議長などを経て、2022年4月より再び国際協力機構(JICA)理事長に就任。著書に『新しい「中世」―21世紀の世界システム』(サントリー学芸賞受賞)、『ワード・ポリティクス―グローバリゼーションの中の日本外交』(読売・吉野作造賞)、『アジアのなかの日本』、『ポスト・クライシスの世界―新多極時代を動かすパワー原理』など。
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