小泉内閣の誕生は、日本人の多くにとってのみならず世界的にも衝撃的であった。日本国内の関心が、小泉新政権の動向に集中したのは当然であろう。 しかし、その間、日本を取り囲む東アジア情勢は、とりわけ米中関係を中心に微妙な緊張感を漂わせていた。また、アメリカでは、中国への対応なども含め、ようやくブッシュ新政権の特徴が明らかになりつつある。「変人」首相への期待と不安 四月はじめの時点で、日本人のほとんどが小泉新政権の誕生を予想しなかったように、世界的にも小泉政権の誕生を予想していた者はほとんどいない。たとえば、自民党総裁選が一週間後に迫ったころですら、『ワシントン・ポスト』紙社説は、橋本龍太郎元首相の返り咲きを前提とした議論を行なっていた。

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