フジモリ氏身柄送還要求を断念したペルー政府

執筆者: 2001年8月号
タグ: 大統領 日本
エリア: 中南米

 ペルーのトレド政権は日本で事実上亡命生活を続けるフジモリ前大統領の身柄引き渡しを要求する姿勢を見せてきたが、実は引き渡し実現は不可能とみて、断念した模様だ。 トレド大統領に近いリマの消息筋によれば、同大統領は七月末の就任式直後、数人の側近とデクエヤル前首相兼外相を交え、「フジモリ対策」の極秘会合を開いた。その結果、フジモリ氏の不正蓄財疑惑では立証が困難なうえ、日本国籍が認められた同氏のペルー送還は要求できないとの結論に達したという。先にペルー最高裁が大統領の職責放棄・不履行の罪でフジモリ氏の逮捕令状を出し、国際手配をするとしながら、執行を見合わせたのは極秘会合の方針が十分伝わっていなかったためとみられる。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top