国際論壇レビュー

グローバル化社会に「民主主義的決定」は可能か

執筆者:田中明彦 2001年8月号

 参議院選挙での自民党の大勝は、世界的にも注目を集めた。前号でも指摘したように、小泉首相への注目が際立っているからである。困難な課題は認識しつつも小泉首相への見方がそれなりに好意的なのに対し、平和的に政権交代を成し遂げたインドネシアのメガワティ大統領については、厳しい見方が多い。 また、七月の大きな外交行事としてはジェノバ・サミットの開催があったが、このサミットを特徴づけたのは、反グローバリゼーションの抗議行動で死者が出たことと、アメリカのブッシュ外交の「孤立」であった。国際的「小泉人気」の定着

カテゴリ: 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
田中明彦(たなかあきひこ) 1954年、埼玉県生まれ。東京大学教養学部卒業。マサチューセッツ工科大学大学院博士課程修了(Ph.D. 政治学)。東京大学東洋文化研究所教授、東京大学副学長、国際協力機構(JICA)理事長、政策研究大学院大学学長、三極委員会アジア太平洋地域議長などを経て、2022年4月より再び国際協力機構(JICA)理事長に就任。著書に『新しい「中世」―21世紀の世界システム』(サントリー学芸賞受賞)、『ワード・ポリティクス―グローバリゼーションの中の日本外交』(読売・吉野作造賞)、『アジアのなかの日本』、『ポスト・クライシスの世界―新多極時代を動かすパワー原理』など。
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