日本には根強い「中国脅威論」がある。ここで指摘したいのは安全保障的な観点ではない。中国で製造された製品が日本国内に流れ込んで物価を押し下げ、日本のデフレ、不況を深刻化させている、という主張である。 もちろん、この主張は一面の真実だ。日本企業そのものが中国に進出して工場を造り、衣類から自動車までの製品を製造し、そのうちかなりの部分を日本に還流させている。それが日本の従来の価格体系を壊し引き下げて、デフレ環境を加速させているからである。ユニクロを例に挙げるまでもなく、また衣料に限らずとも、日本の市場では「メイド・イン・チャイナ」が増加の一途を辿っている。

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