饗宴外交の舞台裏 (48)

アフガン代表者会議 陰の主役はドイツ迎賓館

執筆者:西川恵 2001年12月号
タグ: ドイツ イラン
エリア: ヨーロッパ アジア

 ドイツのボン郊外で九日間にわたって開かれた国連主催のアフガニスタン各派代表者会議は十二月五日、最終合意に達し閉幕した。 この会議招致にかけたドイツの熱意は並々ならぬものだった。アフガン各派約五十人の滞在費、会議運営費を全額負担し、会場兼宿舎としてボンから車で三十分ほどのペータースベルク山頂(標高三百三十一メートル)にある迎賓館をあてた。 当初、首都ベルリンのドイツ外務省を会場にする予定だったが、急遽、変更された。ドイツ外務省関係者は「宿営などのロジと治安面でベルリンは不安があった。特に治安確保はペータースベルクの方がはるかにすぐれていた」と語る。

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執筆者プロフィール
西川恵(にしかわめぐみ) 毎日新聞客員編集委員。日本交通文化協会常任理事。1947年長崎県生れ。テヘラン、パリ、ローマの各支局長、外信部長、専門編集委員を経て、2014年から客員編集委員。2009年、フランス国家功労勲章シュヴァリエ受章。著書に『皇室はなぜ世界で尊敬されるのか』(新潮新書)、『エリゼ宮の食卓』(新潮社、サントリー学芸賞)、『ワインと外交』(新潮新書)、『饗宴外交 ワインと料理で世界はまわる』(世界文化社)、『知られざる皇室外交』(角川書店)、『国際政治のゼロ年代』(毎日新聞社)、訳書に『超大国アメリカの文化力』(岩波書店、共訳)などがある。
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