経営破綻を来した青木建設で巨額の資金が消えていたと聞いても、竹下銘柄とまで呼ばれたゼネコンだけに、意外さはない。だが、その総額が百億円単位にのぼり、不透明な資金流出を示す資料も存在する――となったら、どうだろう。 実は、バブルの崩壊が明確になった九〇年代中ごろ、主要取引銀行のひとつが、青木建設の財務内容の洗い出しを行なったことがある。当時すでに青木は典型的な不良債権企業。作業は徹底的なものになったが、青木単体から連結子会社を含めた連結ベースまで資金の出入りを洗い出しても、辻棲が合わない。最終的に、株式保有率が二〇%以下で連結決算の対象にならない内外の関連会社までを囲い込んだ“拡大連結”ベースで突き合わせたところ、莫大な額の資金がグループの外部に流出していたことが、ほぼ確定したのだ。
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