それは、長年、情勢分析に携わってきたある大使の、一通の手紙から始まった。外務省の情報のプロたちが積み重ねている、地道な努力をレポートする。 職員の公金横領、外交とは無縁の大臣による“破壊活動”、そして、ヤクザそのものの国会議員による介入と、外務省幹部らの黙過、追従――先頃発足した「(外務省を)変える会」が、こうした混乱を収拾することができたとしても、それは外務省改革の入り口に過ぎない。長期にわたる混乱の結果、肝心の外交政策は世界の動きから取り残されつつあるし、政策立案を支える情報収集活動も、はなはだ心許ない状況に置かれている。
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