結果を暗示するような、対照的な光景だった。自民党総裁選が告示された九月八日、党本部で相次いで行なわれた小泉純一郎首相と亀井静香前政調会長の出陣式である。 午前十一時から党本部七階で始まった小泉陣営のそれは、さながら祝勝会のような賑わいだった。森、山崎、旧加藤の主流三派議員に加え、山崎拓幹事長、麻生太郎政調会長、堀内光雄総務会長ら党幹部も続々と詰め掛け、会場のあちこちで談笑の花が開いた。推薦人代表としてあいさつした森喜朗前首相が苦笑しながら「皆さん、何となく笑みを浮かべているが、選挙はこれから始まるんです。引き締めていってほしい」とたしなめたほどだ。割れんばかりの拍手で迎えられた首相は「『改革なくして成長なし』の路線を曲げてはならない。自民党を改革推進政党にする」と力強く宣言した。
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