東南アジアの広域テロ集団「ジェマー・イスラミア(JI)」の最高幹部・通称ハンバリが昨年八月、タイの古都アユタヤで逮捕された現場は、日本人コミュニティーのど真ん中であった。ハンバリ(本名リドゥワン・イサムディン)はJIの軍事作戦グループを率いるリーダーで、一昨年十月のバリ島爆弾テロ事件を計画したテロリストとして、アメリカやオーストラリアの情報機関が捜し求めていた人物だ。まさかJI幹部が日本人コミュニティーの中にいるとは、だれも想像していなかったであろう。アユタヤで逮捕された事実は広く報道されてきたが、その生活環境に関しては意外と知られていない。ハンバリが住んでいたマンションは、日本人の長期滞在者専用レジデンスの隣であった。
この続きは会員登録をすると読むことができます。
「フォーサイト」は、月額800円のコンテンツ配信サイトです。簡単なお手続きで、サイト内のすべての記事を読むことができます。
フォーサイト会員の方はここからログイン