中国自動車市場はどこに向かうのか――世界最大市場の光と影(上)

執筆者:高村悟 2011年1月21日
タグ: 中国 日本
エリア: アジア
廃車も大きな問題に(重慶のタクシー廃車置き場)(c)AFP=時事
廃車も大きな問題に(重慶のタクシー廃車置き場)(c)AFP=時事

 2009年に米国を抜いて自動車(新車)の生産・販売台数で世界トップに立った中国は、2010年に生産、販売をさらに500万台近く伸ばし、2年連続で世界最大の自動車大国となった。生産は前年比32.4%増の1826万4700台、販売も32.3%増の1806万1900台に達し、5年で3.5倍の規模に膨張した。“暴走”ともいえるスピードで膨張する中国の自動車市場の光と影を2回にわたって追う。  昨年、米国の販売台数は11.1%増の1158万8700台と上向いたものの、中・米の差は前年よりさらに開いた。全欧州(EUとEFTA地域の延べ28カ国)の販売台数は前年比4.9%減の1378万5600台にとどまっており、米、欧州ともに中国に大差をつけられた。まして販売が500万台に届かなかった日本と比べれば今や中国は3.5倍の規模の市場になった。中国が日本を販売台数で抜いたのは06年だったが、わずか4年でこれほどの大差がついた。

カテゴリ: 経済・ビジネス
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top