深層レポート 日本の政治 (130)

臨時国会は何のために?

執筆者: 2010年10月28日
エリア: アジア
余裕なのか、ヤケなのか……(C)時事
余裕なのか、ヤケなのか……(C)時事

 秋の臨時国会が10月1日に召集されてから約1カ月が経過したが、今のところほとんど何の成果もあがっていない。そんな中、民主党の輿石東参院議員会長は21日の記者会見で、こんな話題に触れた。 「日本各地で熊の被害が出ている。奄美大島では豪雨で大変な状況。この2つの現象は地球環境問題だ。真剣に考えないと、地球が危ない、日本が危ない……」  そして、少し間をおいて、次のように付け加えた。 「さて、国会の方は民主党が危ないっていう状況かもしれません」  輿石氏としては記者会見のつかみのネタであり、冗談のつもりで言ったのだろう。記者団からは含み笑いが漏れた。  だが、ふざけている場合ではない。地球環境問題と同様に、現に菅直人政権は今、危機的状況にある。外交、内政などあらゆる政策で、政権は壁に突き当たっている上に、臨時国会は今後も審議の停滞が続く可能性があり、政府・民主党はほとんどの法案を成立させられないという「危ない」状況に陥りつつあるのだ。

カテゴリ: 政治
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