総勢数千人にスパイ機も動員する米国対日支援の狙い

執筆者:春名幹男 2011年3月21日
エリア: 北米

 東日本大震災と福島第1原発事故に対する米軍の支援作戦「トモダチ」。史上最大の規模に達した。だが、米側は日本側の神経を逆なでしないよう、日本側の同意を得ながら進める、という極めて慎重な対応姿勢を示している。

 地震発生直後には、東北沖の原子力空母ロナルド・レーガンを拠点に自衛隊機が被災地に展開するという初めての協力作戦が実現した。さらに、沖縄の海兵隊約750人が人道支援に配備され、さらに数千人が海上で命令待ちの状況に置かれている。また、福島原発事故では、放射能・災害対応のため太平洋軍司令部の約450人の部隊が出動準備を終え、先遣隊からの報告待ちの状況。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
春名幹男(はるなみきお) 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top