製薬会社の営業と言えば、「医師を接待して自社の薬をできるだけ多く使ってもらうこと」という業界の“常識”が今、大揺れに揺れている。
製薬会社の業界団体が、医師に対する接待について2012年4月から規制を強化することを決めたほか、2012年度分から製薬会社が医師のために使った接待費などの金額を開示することにしたためだ。海外での規制強化の流れを受けたものだが、「接待なしでどうやって薬を売れと言うのか」と頭を抱える昔ながらのMR(医薬情報担当者)も少なくない。接待漬けに慣れ親しんできた医師の一部にも根強い不満の声がある。長年続いた「日本的な慣行」を来年度から本当に自粛することができるのか。国民医療費の増加が続く折、巨額の利益供与が明らかになれば、国民の怒りが爆発しかねない問題だけに、今後、注目されそうだ。
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