本格化するフランス大統領選挙戦

執筆者:渡邊啓貴 2012年3月6日
エリア: ヨーロッパ

 4月下旬から5月上旬にかけて2回投票制で実施されるフランスの大統領選挙がようやく熾烈化してきた。本命の現職サルコジ大統領(UMP国民運動連合)が2月15日にテレビで立候補を正式に声明し、すでに昨年10月予備選挙で勝利したオランド社会党候補とともに左右2大対立候補が出そろったからである。
保守派ではサルコジ氏に代わる立候補者が見当たらないので、現職大統領は最後まで国民のために働いている姿はそのまま選挙キャンペーンになると踏んで、正式立候補は3月にまでずれ込むと考えられていた。しかし、オランド氏の存外の人気を前に劣勢に立たされたサルコジ氏は、選挙活動を前倒しにする決意をしたのである。

カテゴリ: 政治 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
渡邊啓貴(わたなべひろたか) 帝京大学法学部教授。東京外国語大学名誉教授。1954年生れ。慶應義塾大学大学院法学研究科博士課程・パリ第一大学大学院博士課程修了、パリ高等研究大学院・リヨン高等師範大学校・ボルドー政治学院客員教授、シグール研究センター(ジョージ・ワシントン大学)客員教授、外交専門誌『外交』・仏語誌『Cahiers du Japon』編集委員長、在仏日本大使館広報文化担当公使(2008-10)を経て現在に至る。著書に『ミッテラン時代のフランス』(芦書房)、『フランス現代史』(中公新書)、『ポスト帝国』(駿河台出版社)、『米欧同盟の協調と対立』『ヨーロッパ国際関係史』(ともに有斐閣)『シャルル・ドゴ-ル』(慶應義塾大学出版会)『フランス文化外交戦略に学ぶ』(大修館書店)『現代フランス 「栄光の時代」の終焉 欧州への活路』(岩波書店)など。最新刊に『アメリカとヨーロッパ-揺れる同盟の80年』(中公新書)がある。
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