ロンドン五輪前半戦、日本人にとってショックだったのは、男子柔道が五輪史上初めて金メダルなしに終わったことだった。
柔道が公式競技となったのは48年前の東京五輪。無差別級決勝で神永昭夫がオランダのアントン・ヘーシンクに抑え込まれて負けて以来、柔道の国際化は不可避だった。「ウィンブルドン現象」に似たグローバル化現象と言ってしまえばそれでおしまいだが、世界における日本の存在感が低下したことと関係があり、見過ごせない。
終戦後、連合国軍総司令部(GHQ)は軍国主義排除の理由で、「武道禁止令」を出した。しかし、冷戦の深刻化で共産主義に対する日本人の抵抗力を付けるため武道を推奨、「60年安保」の翌年、国際オリンピック委員会(IOC)が柔道を五輪種目に決めた。
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