クリントン国務長官のアフリカ訪問

執筆者:平野克己 2012年8月17日
エリア: 北米 アフリカ

 アメリカのクリントン国務長官が、8月1日のセネガルをかわきりとしてウガンダ、南スーダン、ケニア、マラウィ、南アフリカ、ナイジェリア、ガーナ、ベニンのアフリカ9ヵ国を訪問した。ウガンダではおりしもエボラ出血熱が発生していて首都でも死者が出たばかり、マラウィでは空港で蜂の大群に襲われ、南アフリカの首都プレトリアに到着すると44年ぶりの降雪に見舞われた。

 南スーダンではスーダンとの和平合意に立ち会い、ガーナでは先月急死したミルズ大統領の国葬に出席、南アフリカではクワズールー・ナタール州にある自宅にまでわざわざ、94歳になったマンデラ元大統領を訪ねている。アフリカ大陸でこういうとんでもない日程をこなす政治家は、中国の国家主席とアメリカの国務長官くらいだろう。

カテゴリ: 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
平野克己(ひらのかつみ) 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
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