在任当時から口は軽かった。前言を翻しても平気だった。とはいえ、政界引退からまさか3カ月で表舞台に戻ってくるとは、誰も予想しなかっただろう。しかも、とんだお騒がせ発言とともに、である。
フランスのサルコジ前大統領が今月、頼まれもしないのにシリア反政府勢力代表と突然電話会談し、オランド政権に軍事介入を呼びかける声明を発表した。5月のフランス大統領選に敗れて政界から引退し、悠々自適の生活をしているはずの前大統領である。支持母体の右派からは支持の声が出ているものの、対する左派や中道は驚き、あきれている。対シリア戦略を練っていた外交当局は、突然の横やりに「二重外交になりかねない」と困惑している。
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