先月末、北京で開かれた「日中国交回復40周年シンポジウム」に参加した。折から、尖閣問題に多くの議論が集中していた。2010年の漁船衝突事件以来、私は毎年北京を訪問して、社会科学院などと意見交換を行なっているが、今年の中国は、明らかに違った。
一言で言えば、尖閣問題は、昨年まで、棚上げを前提とした危機管理の問題だった。今年は、危機管理という状況対応的な様相ではなく、むしろ数年のうちに決着を図ろうという強い意図が感じられる中国側の姿勢であった。北京のシンクタンクは、「日本の主張を覆す」歴史的資料を蒐集・分析しているとも言っていた。
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