無党派・安哲秀氏の挫折

執筆者:平井久志 2012年11月26日
エリア: アジア

 11月23日午後8時20分、韓国の大統領選に出馬表明していた無所属の安哲秀(アン・チョルス)候補が記者会見し「候補を辞退する。統一候補は文在寅(ムン・ジェイン)候補」と、自らの候補辞退を宣言した。これで野党の実質的な統一候補は民主統合党の文在寅氏となり、韓国の大統領選挙はセヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)候補と民主統合党の文在寅候補の事実上の一騎打ちとなった。

 文在寅候補と安哲秀候補の候補一本化は難航し、11月25、26両日の候補登録が迫っていた。韓国メディアは安哲秀候補の23日夜の記者会見は、文在寅候補との最後の会談提案ではないかとみていたが、安哲秀候補の口から出たのは「私は今日、政権交代のために白衣従軍する」という言葉で、次いで「私が候補から下りる」という衝撃的な「候補辞退」の言葉だった。

カテゴリ: 政治
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執筆者プロフィール
平井久志(ひらいひさし) ジャーナリスト。1952年香川県生れ。75年早稲田大学法学部卒業、共同通信社に入社。外信部、ソウル支局長、北京特派員、編集委員兼論説委員などを経て2012年3月に定年退社。現在、共同通信客員論説委員。2002年、瀋陽事件報道で新聞協会賞受賞。同年、瀋陽事件や北朝鮮経済改革などの朝鮮問題報道でボーン・上田賞受賞。 著書に『ソウル打令―反日と嫌韓の谷間で―』『日韓子育て戦争―「虹」と「星」が架ける橋―』(共に徳間書店)、『コリア打令―あまりにダイナミックな韓国人の現住所―』(ビジネス社)、『なぜ北朝鮮は孤立するのか 金正日 破局へ向かう「先軍体制」』(新潮選書)『北朝鮮の指導体制と後継 金正日から金正恩へ』(岩波現代文庫)など。
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