「悪童・柿谷」初登場

執筆者:星野 智幸 2013年7月30日
タグ: 韓国 日本
 東アジアカップの対韓国戦。後半ロスタイムに決勝ゴールを決め喜ぶ柿谷=7月28日 (C)時事
東アジアカップの対韓国戦。後半ロスタイムに決勝ゴールを決め喜ぶ柿谷=7月28日 (C)時事

 ついに柿谷曜一朗が日本代表でデビューした。初出場で初得点に始まり、優勝を決める劇的な決勝点まで決めて。

 キリンのように細長い体と首を揺らめかせながら姿勢よく走り、ウェーブを描くような細かな緩急を交えた動きで相手を翻弄し、足もとはおろか体のあらゆる部位でのボール扱いに長け、正確無比なキックを持ち、視野が広く、ポジション取りにも優れている。どこを取っても、圧倒的な才能があふれている逸材だ。17歳の時点で、すぐにでも日本代表を背負って立つ選手として、脚光を浴びていた。私が柿谷の名を頭に刻んだのも、そのころだった。

カテゴリ: スポーツ
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
星野 智幸(ほしのともゆき) 作家。1965年ロサンゼルス生れ。早稲田大学第一文学部を卒業後、新聞記者をへて、メキシコに留学。1997年『最後の吐息』(文藝賞)でデビュー。2000年『目覚めよと人魚は歌う』で三島由紀夫賞、2003年『ファンタジスタ』で野間文芸新人賞、2011年『俺俺』で大江健三郎賞を受賞。著書に『ロンリー・ハーツ・キラー』『アルカロイド・ラヴァーズ』『水族』『無間道』などがある。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top