“児童性愛のDNA”に苦しむドイツ「緑の党」

執筆者:佐藤伸行 2013年9月21日
エリア: ヨーロッパ

 何事かを成し遂げたと自己達成感に浸っている時、人や組織は足元をすくわれやすい。

 ドイツ脱原発のレールを敷いた90年連合・緑の党(以下、緑の党)はその実績を手に、着実に「第3の国民政党」への道を歩んでいるかに見えたが、22日の連邦議会(下院)選挙投票日を目前に、強い逆風に直面した。

 30年以上前、草創期の緑の党が地方選挙に際し、児童との性行為を刑事罰の対象にしない、という驚くべき政策を公約に盛り込み、それを今総選挙の共同筆頭候補であるユルゲン・トリッティン連邦議会院内総務(元環境相、59)が事実上支持していた過去が表面化したのだ。

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
佐藤伸行(さとうのぶゆき) 追手門学院大学経済学部教授。1960年山形県生れ。85年早稲田大学卒業後、時事通信社入社。90年代はハンブルク支局、ベルリン支局でドイツ統一プロセスとその後のドイツ情勢をカバー。98年から2003年までウィーン支局で旧ユーゴスラビア民族紛争など東欧問題を取材した。06年から09年までワシントン支局勤務を経て編集委員を務め退職。15年より現職。著書に『世界最強の女帝 メルケルの謎』(文春新書)。
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