長ければ長いほど「妻に都合がいい」離婚裁判

執筆者:藤沢数希 2013年9月28日
タグ: 日本

 これまでに結婚というのは、ある種の毎月分配型の特殊な債券の売買契約である(奥さんは『結婚債券』をお金を払って買うわけではないので、譲渡契約と言ったほうがより適正だろう)、ということが理解できたと思う。しかし、結婚と金融商品の売買契約で大きく違うのは、その契約の手続きにかかる時間だ。

 金融商品の取引は5分もあれば済むのだが、結婚するには男女が出会って、通常は1年以上の交際期間を経て、契約成立となる。離婚とは、この契約の解約条項をめぐる攻防と言えるのだが、これは夫側が高額所得者の場合は、通常は何年もかかるのだ。

カテゴリ: 社会 経済・ビジネス
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執筆者プロフィール
藤沢数希(ふじさわかずき) 理論物理学、コンピューター・シミュレーションの分野で博士号取得。欧米の研究機関で研究職に就いた後、外資系投資銀行に転身。以後、マーケットの定量分析、経済予測、トレーディング業務などに従事。また、高度なリスク・マネジメントの技法を恋愛に応用した『恋愛工学』の第一人者でもある。月間100万PVの人気ブログ『金融日記』の管理人。著書に『なぜ投資のプロはサルに負けるのか?』(ダイヤモンド社)『日本人がグローバル資本主義を生き抜くための経済学入門』(同)『「反原発」の不都合な真実』(新潮社)『外資系金融の終わり―年収5000万円トレーダーの悩ましき日々』(ダイヤモンド社)など。
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